きのう何読んだ?

漫画と本について、ゆるゆると。備忘録も兼ねて。

秘密/清水玲子

未解決事件、特に殺人事件における未解決事件に関して、こう思ったことはないだろうか。

「被害者の記憶を取り出せれば、犯人の顔がわかるのに」

私は、ある。そして「それ」がある世界を描いたのが、清水玲子の『秘密』だ。

 

『秘密』は白泉社の「メロディ」にて、ただいま番外編が連載中である。

 

舞台は(いちおう)近未来。MRIという技術で、死体から取り出した脳をスキャンし、脳の持ち主の過去5年分(最初は5年だが後々少しずつ延びる)に見たものを映像として再生できる。殺人事件の被害者の脳を見て、もし最期に加害者の顔が映っていれば、被疑者の特定・逮捕に役立つ。画期的な技術だ。

まあメリットもあれば、プライバシーもへったくれもないというデメリットもある。そんなわけでMRI捜査の専門機関である科学警察研究所法医第九研究室(通称、第九)は強い偏見と反発にさらされているわけだ。

 

頭脳明晰・容姿端麗な第九の室長・薪と、第九の新人・青木が物語の中心人物。やる気満々で第九に異動してきた青木は、最初は何かにとりこまれそうなMRI捜査、そして「きみはここに向いてない」と受け入れてくれない上司の薪に苦戦するのだが、次第に捜査にも慣れて成果をあげ、薪とも信頼関係を築いていく。

この作品は読めば読むほど、タイトルの意味が重く重く感じられる。

脳、すなわち記憶に向き合うことは故人の「秘密」にふれ、場合によってはそれを暴くことになる。青木はそれらにふれながら、尊敬してやまない薪の「秘密」にも関わっていく……詳しくはぜひ作品を読んでいただきたい。

 

この作品の素晴らしいところは三点。

①絵。とにかく薪さんが美しいが、ほかもシンプルな線で綺麗に描かれている!!

②ストーリー。面白い、読み応えがある。

③(個人的に)ブロマンス。ボーイズラブではない、けれどふたりの信頼関係に身悶えしシビれる。薪さんと青木はお互いのことが大好きすぎる。そこが読んでていとおしいというか、いてもたってもいられなくなるのだ。

 

単行本は去年から発売されている新装版で12巻完結。番外編の「Season0」がメロディにて連載中、単行本は4巻まで既刊。

 

新装版 秘密 THE TOP SECRET 1 (花とゆめCOMICS)

新装版 秘密 THE TOP SECRET 1 (花とゆめCOMICS)

 

 

◇◆◇

 

さあ、なぜ私はなぜ今日、『秘密』を紹介したのか?

理由は簡単。今日映画を見てきたからである!!!!!

そして、いてもたってもいられなくなったのだ!!!

理由は簡単。映画が、あまりにも……期待していたのとは……違ったからだ……。原作のよさを改めて痛感したのである。

 

キャスティングはともかく、雑な設定・背景が多かったのが残念だった。まず青木のキャラクターが相当違うし、原作では別々に扱っていた事件を一緒にしていて、それが「え?これどうつなげているの?意味あるの?」という感じなのだ。二時間半弱なら、もっと内容を練れたはず。周りでも首を傾げている人が多かった気がする。

よかったのはイケメンのクラシカルなスーツ姿をたくさん拝見できたこと。生田斗真岡田将生、松田桃李のビジュアルはとてもよかった。

まあ、映画をきっかけに原作に出会えたことも映画に感謝しなくてはいけないかもしれない。生田斗真の出演するときき、原作を買い込んだうらべなのだ。過去に、『ウロボロス』にもお金を巻き上げられた。『秘密』もかなりの被害額となっている。

 

まあ、原作ファンとして映画もきちんと見届けたと思えば……。